大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和60年(ワ)11845号 判決

原告

勝山恵三

右訴訟代理人弁護士

野島良男

安部哲哉

古賀猛敏

古口章

被告

日本シニア・ゴルファース協会

右代表者会長

乾豊彦

右訴訟代理人弁護士

高橋修

主文

原告の訴えを却下する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

事実

第一  当事者の求める裁判

一  請求の趣旨

1  別紙目録記載の者がいずれも被告の正会員たる地位を有しないことを確認する。

2  訴訟費用は、被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

1  本案前の答弁

主文同旨

2  本案の答弁

(一) 原告の請求を棄却する。

(二) 訴訟費用は、原告の負担とする。

第二  当事者の主張

一  請求原因

1  当事者について

被告は、会員相互の親睦を図り、日本ゴルフ協会の方針に則り我が国ゴルフ界の秩序ある発展向上及び国際親善に寄与することを目的として設立された団体であって、原告は被告の会員である。

被告の規約(以下単に「規約」という。)及び運営の実態によれば、被告は、①団体としての組織を備え、②多数決の原則が行われ、③構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、④その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理、その他団体としての主要な点が確定しているので、被告は、権利能力なき社団として民訴法四六条による当事者能力を有する。

2  被告の入会資格について

規約第四条は、被告の正会員資格を定めているが、これによれば、その正会員の資格は、「クラブ・ハンディキャップ一二以下の日本ゴルフ協会加盟倶楽部会員で年令満五五才以上の者」と明記され、その入会については「本協会々員の紹介による入会希望者の内より本協会役員会に於いて詮衡する。」とされている。

この基準は、会員をゴルファーとしての技能と人格を兼ね備えた者とし、被告をゴルフ界における権威ある団体とするための要件であり、厳格に守らなければならないものである。

3  ところが、被告は、左記の四名の者が、ハンディキャップ(以下「ハンディ」という。)一二を超えており、規約の定める入会資格を欠いているにもかかわらず、これを左記の日に正会員として入会させた。

入会年月日   会員名 ハンディ

五九年一〇月 一日 山岡淳男 一三

同年一一月 一日 外村初 一五

(但し、自己申告では一四)

同月一六日 塙辰夫 一五

同年一二月 一日 小林宗次 一五

4  確認の利益について

(一) 被告の事業は、1記載の目的の達成のために、随時、会内及び対外の懇親会のほか、競技会を開催することであるから、ハンディの制限は、極めて重要な事項であって、これをルーズに運用することは、会員の質的均一性を損ない、被告の目的に反する結果を招来することになる。

(二) 被告は、我が国ゴルフ界の秩序ある発展向上及び国際親善に寄与することを目的とし、国際的にも国内的にもわが国唯一かつ最高の地位にあるシニア・ゴルファーの団体として、極めて高い権威を認められる団体であり、その会員資格として厳格な条件を規定して会員数を厳しく制限してきた。したがって、原告のようにその厳格な資格要件を充たして入会を承認された会員は、高い地位を認められているところ、規約に反した入会を認めるときは、今後とも理事の恣意によって入会が左右され、被告の社会的権威は著しく失墜するとともに、被告の会員としての原告の地位も損なわれることになる。

(三) 原告は、被告に入会するにあたって、所定の入会金を支払い、入会後も規約に従い会費を支払っている。そのほか原告は、被告に対し、その事務所を提供するなど多大の寄付をも行ってきた。

(四) 原告は、被告の会員かつ監事として、昭和六〇年四月三日、被告の第二二回通常総会において、規約に違反した入会の事実を指摘し、規約により正常な運営をすべきことを提案したにもかかわらず、被告の役員は、この提案を採用せず、原告の指摘を無視した。これにより、原告は、規約違反を是正する機会を奪われた。

なお、原告は、同年二月ころ「昭和六〇年度新入会者」と題する名簿が送付されるまでは、別紙目録記載の者を含む会員候補者名簿や入会についての議案の送付を受けたことがなく、別紙目録記載の者の入会の事実を知らなかったものである。

(五) 原告は、被告の構成員として、その役員が規約に従って正当な業務執行をすることを期待し、業務執行監視権及び役員の規約違反の業務執行行為に対する是正請求権を条理上当然に有する。

(六) 会員の地位の有無の争いは、原告のみならず他の構成員全員の利害にかかわる事項であるから、その解決は、利害関係人間で画一的に確定されるべきであり、そのためには確認判決を得ることが極めて有効適切であり、これに代わるべき適切な手段はない。

5  よって、原告は、別紙目録記載の者が被告の正会員たる地位を有しないことの確認を求める。

二  被告の本案前の主張

1  原告の訴えが法律上の争訟ではないことについて

(一) 本件は、原告の具体的権利義務の存否又は原被告間の具体的法律関係の存否に関する紛争ではない。

(二) 本件は、法律の適用によって終局的に解決し得るものではない。

本件は、親睦を目的とする団体において、その目的を達成するために、規約の会員資格条項をどのように合目的的に解釈するのがよりよいかという問題である。また、原告の請求を認める本案判決がなされたとしても、規約を改正してしまえば、判決はなんら紛争の解決に役立たなくなるのである。

2  原告の訴えが司法審査の対象ではないことについて

自律的・自治的能力を有し、一般社会とは異なる特殊な部分社会を形成している場所で起きた一般市民法秩序とは直接の関係がない内部的な係争は、その部分社会の自主的・自律的な解決に委ねるのが妥当である。けだし、憲法第二一条は、結社の自由を保障しているが、ここにいう結社には社交的クラブやスポーツ団体も含まれ、また、結社の自由を保障するということは、団体が団体としての意思を形成し、その意思を実現するための諸活動について、公権力による干渉を受けないことだからである。

被告の会長には、日本ゴルフ協会の会長・副会長の職にあった人が就任し、被告の理事には、日本ゴルフ協会または各地区ゴルフ連盟の役職経験者が就任する慣例になっている。被告の役員・会員らは、日本のゴルフ界を代表する名士達であるから、被告は、内部に問題が起きたとしても自治的・自律的に解決する能力を有している。

また、被告は、請求原因1記載のとおり一般社会とは異なる部分社会を形成しており、本件は、一般市民法秩序とは直接の関係がない親睦ないし趣味にかかわる事柄である。

したがって、原告の訴えは、司法審査の対象とはならない。

3  原告の訴えが確認の利益を有しないことについて

請求原因4(確認の利益について)の事実のうち原告の訴えが確認の利益を有するとの点は、否認する。

(一) ハンディは常時変動するものであるから、被告入会時には一二以下であった会員も、しばらくするとハンディが変更になる場合が少なくない。入会後にハンディが一二を超えるようになった会員を退会させるのでは、会員相互の親睦を図る被告の目的に反する結果となる。また、会員は、入会時のハンディで競技会に参加するのではなく、競技会開催時のハンディで参加するのである。

(二) 被告は、選ばれたごく少数の会員の親睦を目的とする団体にすぎない。また、被告が、会員数を何名に制限するということを公式に決定したことはない。

(三) 原告が被告に対し、多大の寄付を行ったことは否認し、その余の事実は認める。

(四) 被告が別紙目録記載の者の入会手続をとったとき、原告は、被告の監事であったが、なんら異議を述べなかった。

被告は、昭和五九年八月初め、全会員に対し、別紙目録記載の者を含む会員候補者名簿(乙第一三号証)を送付し、異議があれば同月末日までに申し出るように通知したが、何れの会員からも異議はなかった。

被告は、同年一〇月九日、全役員に対し、別紙目録記載の者を含む会員候補者の入会の可否を問う議案を送付し、異議があれば同月二〇日までに申し出ること及び同日までに異議がなかったときは全員の賛成により可決されたものとして扱う旨を通知したが、同日までに何れの役員からも異議はなかった。

被告の第二二回総会において、すべての審議が終了し、議長が総会終了宣言をしようとしていた時に、原告は、急に飛び出してきて、議長の許可も得ず、マイクを取って発言しようとしたために不規則発言として制止されたものである。原告の右行為は、同総会において原告が監事の職を退くことに決まったことに対する不満に発したものとしか考えられない。

(五) 被告の目的は会員の親睦であり、その事業は懇親会及び競技会を開催することにすぎないから、個々の会員が業務執行監視権及び是正請求権を有するものと解すべき根拠も必要性もない。

三  被告の本案前の主張に対する原告の答弁

1  本案前の主張1(一)(具体的権利義務又は法律関係の存否)について

被告は、ゴルフ界における権威ある団体であり、その構成員であることは、社会的に高い地位を認められている。原告は、被告の構成員として、被告の権威の擁護と社会的使命の遵守及び自己の地位の擁護のため、その役員が規約に従って正当な業務執行をすることについて、業務執行監視権及び役員の規約違反の業務執行行為に対する是正請求権を条理上当然に有するのである。

2  同1(二)(紛争の終局的解決)について

本件訴えは、規約に明白に違反して入会した者が被告の正会員たる地位にないことの確認を求めるものであって、規約の解釈を争うものではない。

3  同2(司法審査の対象ではないこと)について

被告主張の慣例については認め、その余は否認する。

原告は、被告の会員かつ監事として、昭和六〇年四月三日、被告の第二二回通常総会において、規約に違反した入会の事実を指摘し、規約により正常な運営をすべきことを提案したにもかかわらず、被告の役員は、この提案を採用せず、原告の指摘を無視した。

したがって、被告は自律的・自治的能力を失ったものである。

また、部分社会論の適用にあたっては、司法審査の対象を無用に狭めないよう慎重に配慮すべきである。

四  請求原因に対する認否

1  請求原因1(当事者について)の事実は、認める。

2  同2(被告の入会資格について)の事実のうち、規約に関する事実は認め、その余は否認する。

しかしながら、規約第四条で正会員の入会資格として定めるハンディ一二以下という基準は、会員の大体の技能を知る程度のひとつの目安としての意味しかなく、文言どおりのものとして解釈・運用されてきたのではない(乙第五号証ないし第八号証)。

被告は、日本の各界を代表してゴルフ界の発展に貢献してきた名士達により設立されたもので、かかる名士達の親睦を目的とする団体であるから、発起人らと同質の紳士であるか否かが会員資格の第一要件である。ハンディの制限は、その上にゴルフの腕前もある程度に達していればさらによいという程度のもので、弾力的に解釈・運用されてきている。そして、これらの実質的な要件は、役員会による銓衡で判断することとされている。

3  同3(ハンディ一二を越える会員)の事実は、認める。

被告の役員会の審査において、実質的要件に欠けるところがないとして入会を認めたものである。

第三  証拠〈省略〉

理由

一〈証拠〉を総合すると、次の事実が認められる。

1  被告は、会員相互の親睦を図り、我が国ゴルフ界の秩序ある発展、向上及び国際親善に寄与することを目的として、昭和三八年三月二七日に設立された団体であり、原告は、被告の会員で、昭和六〇年四月三日の第二二回定時会員総会終了時まで被告の監事の地位にあったものである(この事実は、当事者間に争いがない。)。

2  被告の会長には、日本ゴルフ界の最高機関とされる日本ゴルフ協会の会長又は副会長の経験者が就任し、被告の理事には、日本ゴルフ協会又は各地区ゴルフ連盟の役職経験者が就任する慣例となっている(この事実は、当事者間に争いがない。)。

3  被告の定時会員総会は、毎年四月に招集され、定時会員総会においては、会務及び会計報告が議決され、役員選挙が行われる。役員会は、必要と認めるときは、随時会員総会を招集することができる。会員総会では、出席会員過半数の同意をもって規約の変更を議決することができる。また、役員会は、年四回招集され、被告の運営及び競技会に関する細則を定める。

4  被告の事業は、前記1の目的達成のため、随時会内及び対外の懇親会及び競技会を開催することであるが、その主なものは、年三回ほど会員の懇親会ないし競技会を開催し、年一回アメリカ・シニアーズ・ゴルフ協会と日米シニア親善ゴルフ大会を共催し、世界シニアゴルフ選手権大会へ代表選手を参加させることである。

5  被告は、自らその規約(甲第一号証は改正前、乙第九号証は改正後のもの)を定めているが、規約には、被告の会員たる資格について、次のとおり記載されている(この事実は、当事者間に争いがない。)。

「一 特別会員

年令満八〇才以上の者及び年令満五五才以上の者でゴルフ界に功労ある者の内から被告役員会に於て推薦する。

二  正会員

クラブ・ハンディキャップ一二以下の日本ゴルフ協会加盟倶楽部会員で年令満五五才以上の者

被告会員の紹介による入会希望者の内より被告役員会に於いて詮衡する。」

6 被告は、会員数を概ね三六〇名程度に制限するように運営されている。

7(一) 被告は、昭和五九年八月に、全会員に対し、まず、別紙目録記載の者(以下「本件会員」という。)を含まない三一名の昭和五九年度入会希望者審査資料表(甲第一二号証の一、二。右表には各自のハンディの記載がある。)を(原告が右表の送付を受けた事実は当事者間に争いがない。)、次に、本件会員を含む三八名の同表(乙第一三号証)を送付し、更に、同年一〇月には、全役員に対し、右三八名のうち本件会員を含む一四名の入会を認める議案(乙第一二号証)を送付して異議があれば同月二〇日までに申し出ること、右期日までに申出がなければ、右議案を承認したものとして手続をとる旨連絡したが、原告を含め同日までに異議を申し出る者はなかった。

(二) そこで、被告は、同年一〇月から一二月までの間に、本件会員を含む一四名についての入会手続をとり、同六〇年二月に、全会員に対し、昭和六〇年度新入会者と題する名簿(甲第一三号証)を送付したが、本件会員のハンディは、いずれも一三ないし一五であった(被告が本件会員の入会手続をとったこと及び本件会員のハンディが一三ないし一五であったことは、当事者間に争いがない。)。

(三) 原告は、昭和六〇年四月三日、被告の第二二回定時会員総会において、本件会員の入会の問題について発言を求めたが、制止を受けた。なお、前日に開催された役員会において、原告が本件会員の入会問題について問題を提起したことはなかった。

8 被告は、これまで、本件会員以外にもハンディ一二を超える相当数の者について被告の正会員となる資格を認めて、入会を許可してきたが、ハンディの制限をどの程度まで緩和するかについて明確な基準を設定していない。なお、昭和五〇年四月以来被告の理事の地位にある渡辺武信は、ハンディ一二以下という基準は会員の大体の技能を知るひとつの目安にすぎないものとし、入会希望者の人格を最も重要な基準として新入会員の銓衡に当たっている。また、正会員の中には、入会時にはハンディが一二以下であったものの、その後一二を超えるようになった者も多い。

9 会員は、被告の開催する懇親コルフ競技会には、入会時のハンディではなく、開催時のハンディで参加する。したがって、競技会参加者にはハンディが一二を超える者も多い。

10 被告が本件会員に正会員となる資格を認めたことについて、原告以外の者から被告に対して、不服申立がされたことはない。

原告本人尋問の結果中、以上の認定に反する部分は、採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。

二ところで、裁判所は、憲法に特別の定めがある場合を除いて、一切の法律上の争訟を裁判する権限を有し(裁判所法三条一項)、ここにいう法律上の争訟とは、法令を適用することによって解決し得べき権利義務に関する当事者間の紛争を指称するのであるが(最高裁昭和二六年(オ)第五八四号同二九年二月一一日第一小法廷判決・民集八巻二号四一九頁参照)、かかる法律上の係争であっても、一般市民社会の中にあってこれとは別個に自律的な法規範を有する特殊な部分社会における法律上の係争は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の司法審査の対象にならないと解すべきである(最高裁昭和四六年(行ツ)第五二号同五二年三月一五日第三小法廷判決・民集三一巻二号二三四頁参照)。

三1 そこで、本件についてこれをみると、本件訴訟は、本件会員の被告の正会員たる資格に関する原被告間の紛争であって、被告の正会員たる資格についての法令、規約、慣習などの法規範を解釈し、又は適用することによって解決し得べきものであり、これが法律上の紛争であることは、否定することができない。

2  しかしながら、被告は、前認定のとおり、主として会員間の親睦を図ることを目的とし、懇親会やゴルフ競技会の開催を主たる事業とする私的ないわゆる社交団体である。また、被告は、自主的に定めた規約を有し、定時会員総会において、多数決原理により、会務及び会計報告を議決し、役員を選出し、また、目的を達成するため必要な規約の変更を議決することができ、役員会は、被告の運営に関する細則を定め、その規約に従って事業を行うというのであって、被告においては、自主的で民主的な団体運営を行い得るとともに、自主的な紛争解決の手段を有しており、現に、原告は、被告の監事として、昭和五九年一〇月の書面による審議の際又は昭和六〇年四月三日の被告の第二二回定時会員総会の前日に開催された役員会の際等に新入会員の銓衡につき自らの意見を述べる機会を持ち得たことは、前記一の認定のとおりである。したがって、被告は、一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているものというべきである。

3 そこで、次に、本件会員を被告の正会員として入会させた被告の行為が一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまるか否かについて判断する。

被告が会員間の親睦を主たる目的とする私的社交団体であることは、前記のとおりであるが、そもそもかかる団体において、いかなる者に会員資格を認めて入会を許可するかは、原則として、団体の自主的・自律的判断に委ねられる問題であるというべきである。また、被告においては、規約上は、被告の正会員たる資格をハンディ一二以下の者と定めているが、被告が従前から本件会員以外にもハンディ一二を超える相当数の者につき被告の正会員たる資格を認めて入会を許してきたことは、前記一の認定のとおりであって、これをもって絶対的資格要件とする趣旨であると認めることは困難であり、他方、ハンディはひとつの目安にすぎず、むしろ入会希望者の人格を重視して、正会員を銓衡する趣旨であるとしても、ハンディの制限をどの程度まで緩和するかについて明確な基準はなく、被告の正会員たる資格要件についての判断は、困難であるといわざるを得ず、これを被告の団体としての判断に委ねるのが相当である。更に、本件会員に被告の正会員となる資格を認めたとしても、原告の主観的名誉感情を損なうことは格別、被告の団体としての目的・性格に照らし、当然に原告の具体的権利を侵害し、又は公共の利益を侵害することになるとはいえないし、本件全証拠によってもこれを認めることはできない。

以上の諸点に鑑みると、被告が本件会員に被告の正会員となる資格を認めて、入会手続をとったことに関する紛争は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題として被告の自主的・自律的な判断に委ねられ、司法審査の対象とならないものと解すべきである。

四したがって、その余について判断するまでもなく、原告の本件訴えは不適法であるから、これを却下することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官加藤和夫 裁判官西謙二 裁判官鹿子木康)

別紙目録

山岡淳男 兵庫県芦屋市山手町一―二二

外村初 東京都太田区東矢口三―二五―四

塙辰夫 東京都渋谷区富ヶ谷一―三三―六―一二〇一

小林宗次 愛知県名古屋市瑞穂区春日町一六―一

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例